前回は遠隔メンター導入についてのメリットを書いてみました。

では、これを利用する病院や研修医にとって不安要素はないのか?ということです。

①あくまで遠隔メンターとなるため、指導医としての数にはカウントされない

②オンタイムで聞きたいときには、100%聞くことは難しい

③リアル感がないから、なんとなく不信感がある

このようなことがあると思います。
たしかに①はむずかしいです。ただ、総合診療専門医の専攻医は指導医との定期的なfeedbackがonlineでも可能となっていますので、やりようによっては、可能かもしれません。
 ただ現時点では、指導医の数としてカウントするという名目上のものとして利用するのはよくないでしょう。

②は、改善の方法があると思います。遠隔メンターが他病院で臨床をしているとなかなか24時間オンタイムでビデオチャットを使って指導というと専用端末を用いてつねに画面が映っていて、声が聞こえるようなシステムを導入するという方法でカバーするしかないでしょう。将来的には、国主導で医師不足の地域や自治医大などでカバーしている若手医師が派遣されている病院と基幹病院が画面と音声がいつでも繋がるシステムを作ることができれば、教育だけでなく遠隔医療の補助もできるでしょう。(doctor to doctor またはNP to doctor) オーストラリアでは、もう行われていたので日本でもやろうと思ったらできるはずです。特に導入しやすいのは救急室での患者さん対応です。
  今、私が考えているのは、チャット式のアプリでの対応です。リアルにはむずかしくても検査結果や画像を転送することはできますし、簡単な患者プレゼンテーションができれば、電話またはチャットで返事が可能です。

③これも、どこぞのだれ?とならないように、定期的にリアル指導も同時に行う予定です。オンラインだけではやはり教育は響かないと考えているので、有名医師が年に1回や2回症例検討を一緒にするというのではなく、1日救急対応や外来診療を一緒に行ったり、回診をしたりしてfeedbackを1日行う。
 そうすることで、指導医と直接の会話を通じて距離を縮めてもらえれば、その後のオンラインフィードバックも活用しやすくなるのではないかと考えています。off会みたいなものでしょうか。

現在、札幌医科大学総合診療医学講座が行っている
「プライマリケアレクチャーシリーズ/プライマリケアカンファレンス」
(毎週水曜日・木曜日7時30分〜8時の無料オンライン勉強会)

の運営のお手伝いをしているのですが、参加されている皆様からのご意見を聞くと
「研修医や医学生への指導で悩んでいる」
という声をたくさん聞きます。

そのようなところで微力ながらお手伝いができればと思っています。
研修医が1−5人/年ぐらいの中規模病院ほど悩んでいるのではないかと思っています。

もし、ご興味があれば御連絡ください。(自己紹介ページに連絡先を載せています)

ソーシン勉強会「心電図特訓」

「心電図は地図ですよー」

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