【医学生・初期研修医など初学者向け】

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【病院管理者・行政担当者向け】

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 【起業家編】

  起業家の方が、地域医療を支える方法・視点は2つの視点が必要と考えています。

 ・地域で働く医師(医療者)やその家族がその地域での生活を楽しめる工夫が出来るか

 ・実際の医療で介入することが出来るか

 特にへき地・離島など地理的に遠い、不便な地域での医療において、そこで医療の継続が出来るかどうかは、圧倒的に以下よると思います。

 「家族の理解を得られるか」

個人的感覚から言えば、9割ここに依存していると思います。

何人もの先生たちに「おまえはうらやましいよ。付いてきてくれる家族がいるから。じゃないと、へき地での勉強出来ないぞ。家族に感謝するんだよ。」といわれてきました。

 裏を返せば、その先生たちは、その理由でせっかくの学びのチャンスを逃してきていたのです。

 医師個人がへき地医療・地域医療をしたいと言っても、家族の理解が得られにくい環境であれば、結局は医療の提供はしたいが、プライベートがおろそかになり、家族が不仲になったり、離婚をしてまでその地域に残るということになりかねません。

 この問題が解決できると、間接的に地域医療を支えることが出来ると思っています。とても難しい問題ですが、昔よりはとてもハードルが下がったと思っています。

例えば、NETFLIXにより、チャンネルが2つしかないような田舎にいっても映画が観れるようになった。買い物も、都会ほど早くはないがネットで買えるようになった。食べ物ですら、お取り寄せが出来るようになった。

 ここにさらに細やかなプラスαがあると、より医療者の定着率や勤務するにあたってのハードルが下がるように思います。ひいては、地元住民にとっても応用が出来るものかもしれません。ニーズはほとんど一緒なはずですから。

具体的な例としてこんなものはどうでしょうか。コンシェルジュみたいな存在もとても有用だと思いますが。

 ・単身者が赴任した際に、その人にあわせた、地域との距離感を取れる仕組み・イベント・アクティビィティ

 ・家族のある人が勤務する際は、その夫ないしは妻が楽しめる(家でこもって楽しめるものだけでなく外でも)・相談できる組織・媒体

 ・子供の教育(机に向かって行う勉強だけでなく、成長の過程でプラスになるようなアクティビティ)

 ・さらに間接的には、息抜きが出来る休暇を医療者が取れる働き方にして、家族で都会で過ごす期間を設ける(病院の中の問題が多いですが)その際に質の担保された代診医制度や、交通手段のサポート・子供の遠隔教育サポートなど

一方で、「実際の医療で介入することが出来るか?」については、無駄が多いと感じる日々の診療の点は以下のようなことがあります。

①他院のPACS(画像)データ、採血データがみれない それにより、診療情報提供書を作成しないといけない

②①に関連して、3次医療機関とのコンサルトをする際に画像など決定的な情報のやりとりなしに行う必要がある

③オンライン診療・支払いをへき地でもどんどん導入していくメリットが大きい(高齢者の交通手段がない・費用が高い)

④訪問診療においても、院内に医師がいなくなるデメリットを考えると、タブレットを使用した訪問診療を導入できるとよい

⑤医療者も少ないため、地域病院こそDXをどんどん進めていくことで、ヒトが出来ることに集中することが出来る

もうすでにとり組んでいる地域やスタートアップがあると思います。

 次に、へき地などの地域医療では「集約化の先に残る医療」の提供に集中する流れになると考えます。具体的な内容は以下の通りです。

 ということは、ここに役に立ちそうなものに注力することで地域医療を支えることが出来るのでは?

 例えば、先ほどあげた定期外来をオンライン診療へ促しやすくする(高齢者などで、機械操作のアシスタント・より簡単な操作で出来るようなもの)ことも切り口だと思いますし、

 リハビリ

 これも、予防という観点で、作業療法士などが行うものも含まれますが、運動を促す・継続性を維持できるシステム・方法などもいいと思います。

 救急の初期対応

 これも、どれだけDXが進んでも遠隔診療で完結できないところです。現場のサポートは出来るとおもいますが。ここでの、仕事内容をより細かく拾い上げれば、ちょっとした道具の開発なんかもいいでしょうね。(マダニのTick twisterとか) よくあるのが、ウニのとげ抜きや鼻出血を簡単に止めるもの 熱傷治療をより簡単にするもの なんなら、採血をもっと簡単にできるもの etc

 食事介助をもっと楽に出来るもの リハビリ補助器具がもっと充実する せん妄を起こしにくくする環境作り

こういったものもいいかもしれませんね

 そういう視点でいうと、ターミナルケアに親和性がある点で、社会的処方と言われるようなmedicalな部分では患者に笑顔を届けられない状況があります。そこにアートや家族との関わりなどがあると思います。

 似顔絵セラピーもその一つだと思いますし、思い出に残る画像や動画をその人のために作成することも一つの方法かも知れません。これだけ映像技術が進んでいる中で、このような関わりかたがあってもいいと思います。

 いろいろ述べましたが、ポイントは「集約化の先に残る医療」を具体的にイメージしてそこで現在何が足りないか。もっとサポート出来る方法があるんではないかと医療者との議論があると何かが生まれる可能性があると思います。

 お役に立ちそうでしょうか。ご質問などありましたら、いつでも御連絡ください。