来年度当院で一年間のGap Yearを過ごされる現初期研修2年目(来年度医師3年目)の二人との面談が終わりました。それぞれ、過ごした2年間の初期研修病院の雰囲気は異なり、一年間で学びたいことも異なる。将来の夢も違う。
違ってていい。各専門医プログラムに乗っかる前に一年間、初期研修の延長としてこのGap Yearを選んだこと、そして、当院を選んでくれたことを人生のとても大切な一年だったと思ってもらえるようにサポートしたい。
今後、このような研修医も一定数いると思います。今回感じたことは、特に大学病院研修プログラムで研修を受けた人は、3年目に専攻医として当直を一人で対応することにとても不安を感じているようです。
市中病院で研修をした医師は、救急車対応・救急受診患者のマネージメントを指導を受ける機会が比較的多いことが多いですが、大学病院での研修では一人でマネージメントをするという機会自体が少ない印象です。
「大学」
というひとくくりにするのはよくないかもしれませんが、この16年間で指導に当たった初期研修医の所属先を振り返っても比較的どこの大学病院プログラム出身者も口を揃えて同じことを言います。
こういった人達が、3年目でいきなり責任のある救急対応・当直をするための知識や技術は本来は初期の二年間で指導を受け、学ぶ必要があると思いますが、研修医が多い大学ではそのチャンスも少ないと分析します。
今回、お二人の面談をして、それぞれのバックグラウンドにあわせた一年間の過ごし方を考えることはとても面白いと思いました。
特に、この一年間千葉大学で「地域医学教育学」という講座で知識としても学んでいたこともあり、経験だけでなく知識としても裏付けて年間計画とそのアウトカムを上げていけるように一緒に進んでいきたいと思います。
「プログラムがない」→「自由に個人に合わせた一年の学び」
これを目標にやっていこうと思います。
少しご紹介すると、

お一人の方は、大学病院での初期研修をされて、その地域研修先として今年当院に一ヶ月来られました。そのときに、いろいろ経験したこと、主体的に動くことで「医療に向き合う姿勢」を学んで大学に戻られました。将来の志望科に進む前に、コモンな主訴に対する初期対応・救急対応、病棟管理に不安があり、一年間総合診療科で学びたいと来られました。
→なので、面談の結果、「専攻医プログラムに入った後でも、一人で病棟急変に対応できる力を身につける」ことを目標にしました。
具体的実践として「救急初療+病棟管理」を中心にした一年間とすることにして、
一年間の前半は、救急対応も必ずフォローができる体制で、でも、その医師が判断、マネージメントを前線でできるような研修にします。
一年間の後半は、私たちスタッフが遠隔でのサポートは出来るようにしながら、現場では一人で対応ができるような経験をつんでもらいます。
もう一人の方は、初期研修病院は市中病院。しかも結構忙しいところ。症例としてはたくさん診てきたが、それらを自分で振り返りがゆっくりとできたかどうか、不安が残っているというかた。消化不良になっているのではないか?ということでした。少し、臨床に時間的余裕を持って、振り返りをする時間や指導医と向き合って指導ができる環境をということで当院を選んでくださりました。
→面談の結果、「来年度の専攻医先を決めるにあたり、自分のウィークポイントをストロングポイントに強化する」ことを目標にしました。
手技に対する不安もあるようなので、指導医や技師が体系的に指導をするようにします。(例:エコーを毎週技師からの指導を受けながら、実践で患者に当てていくようにします)
将来の希望科を選択する上で、院外での研修を年間通じてできるように定期的に行えるような勤務形態にします。(地域のクリニックにご協力によりできることになります)
訪問診療や定期外来など、2年間の初期研修ではうわっつらしかわからないところを一年間かけてやってもらうことにもしました。
そして、二人共に課したことは「研修医・医学生の指導をすること」
これは、教えることが一番の学びになるからです。間違ったことを教えてはいけない!というプレッシャーが一番自分を成長させてくれるでしょう。私たちスタッフはその方法やちょっとしたサポートをしてあげることが大切なのだと思います。

ここでの5年目に突入になります。
へき地からの逆襲
ではないですが、
へき地からの発信とへき地での医学教育の有用性の証明、そこで育った医師が「いいお医者さん」になる
ことを来年度も目指してやっていきましょう。
そんな「いいお医者さん」
たちが、いろんなところで、さらに「いいお医者さん」を育ててくれたら幸せです。
「一臨床医で救うことができる患者には限りがある。
研究をするとその結果を用いることでより多くの患者を救うことができる。」
学生の時に言われたことですが、私としては以下のように思います。
「一臨床医で救うことができる患者には限りがある。
教育をすることで、多くの仲間がさらにたくさんの患者を救うことが出来るようになる」
時間のかかることですが、ゆっくりと着実に一歩ずつ。焦らずに。