11月19日〜21日の3日間、横浜で、救急医学会総会がありました。今回は、発表はせず、いろいろなシンポジウムや発表を聞いて、情報収集していました。
 2年ほど、救急の現場から離れていたようなものなので、updateをしてきました。
変わることと、変わらないこと。たくさんありますが、抱える問題は、都会も田舎も変わっていないようです。
 テーマの一つにたくさん取り上げられていたのはやはり、
 「高齢者問題」
です。何年か前までは、それほど大きいセッションになっていなかったですが、今年は大きな話題となっていました。病院や地域によっては、救急医がドクターカーで往診救急を受けるようなところもありました。
 私の立場からすると、
「救急医が在宅診療中の患者が状態が悪くなった場合に、『救急医』が往診をする」
というのは、本当に必要なのか?
と疑問もあります。本来であれば、
「在宅診療をされている医師や看護師が往診をして、必要であれば、救急要請をする」
ということになります。
 ただし、ここで『救急医』がなぜでてくるのか?
ニーズとしてあるから、そういう働き方をするのだと思いますが、「なぜ?」です。
理由はいくつかあります。

「在宅診療をしている医師が夜間は対応をしていない」
「訪問診療はしているが、往診(突然の依頼)はしていない」
「在宅診療している患者さんの家族が、救急車を呼ぶことが多く、救急隊出動数が増えている」

といったことがあるようです。
地域のニーズに、医療の現場が追いついていないのが現状で、やりくりする中で出てきた答えが「科に囚われない『救急医』が往診をカバーする」
というのです。

ただ、これに関しても、普段の患者さんの状態がわからないケース・患者さんの家族との関わりがないケースでどこまで『救急医』が対応出来るのだろうかと疑問です。
救命または、治療に関しては診療方針決定はできるかもしれませんが、
「治療を優先しない方法もある」
ということに関しては、なかなか日常の関わりがない中で難しいと思います。
 最近よく言われる「ACP(Advance care planning)」ということもありますが、

「ヒトは、どのように生き、どのようにどこで死を迎えるのか。迎えたいのか。」

これはいつでも、考えておく必要があると思いますし、家族間で話し合いをしておく必要があると思います。

 死は忌み嫌うものではありません。

必ず、来るものです。

と、日々高齢者の方々の診療をしているので、少し長くなりましたが、学会自体は、地域で同じような形で働く救急専門医の先生方の発表も見たりして、刺激をたくさんいただきました。また、研修病院の後輩達や、いろいろなときにお世話になった先生方にもたくさんお会いでき、ご挨拶することができました。
「地域で働く救急医(rural generalist)」
をすこし、知っていただけたかと思います。

次回は、今の病院で行っていること、患者層、地域のシステムについてなどこれからできることろからまとめていって、何かしらの形で発表や研究が出来ればと思っています。

SKGHERの後期研修医たちです。ずいぶんと学年が離れてしまいました笑

 

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