ruralで働く場合、日常は、高齢者中心の慢性疾患、または、感染症による入院加療。そして、感染症自体の治療は出来たがADLが下がって、寝たきりになってしまった。認知症があって、自宅での生活がもうギリギリだったから、今回の入院で、施設を考えています。また、急性期病院からの下り入院といって、施設や自宅の環境が整うまでリハビリを中心に対応するといった、社会的問題を多く含んだ日常です。これはこれで、とても地域にとって意味のあることで、毎日日本の未来と現実を見ている感じがしています。
ただ、ときどき病気として急がないといけない救命の場面にも出くわします。先日、若い方が救急車で運ばれてきて、救命できるかどうかとても難しい状態でした。現場から5分で病院に到着して、救急室で急変。検査と同時に気管挿管。すぐに3次医療機関への転院搬送依頼をして、受け入れを確認。当院での滞在時間は約30分。搬送に30分。病院を出るまでに御家族の連絡先をなんとか入手して、搬送先病院へ連絡先を伝えることができ、病院到着時には、専門医と救急スタッフが待ち構えてくれていました。
搬送時には、もう寝たきりになってしまうかなと思っていました。ただ、同日に夜中にもかかわらず、麻酔科、専門科、ICUスタッフにより、緊急手術をしてくださり、順調に回復をしていることを知りました。なんとか繋いだ命を、しっかりと受け入れて下さったこと、さらに回復していること、本当にうれしかったです。
もし、当院がなかったら、直接3次医療機関に運ばれていたかもしれません。実際にはそのほうが、専門医へのアクセスは早かったのかもしれません。ただ、軽症症例も全て、3次医療機関へ運ばれることになり、病院の負担はかなりのものになります。今後、医療の集約化が進んだ際に、救急対応もすべて3次医療機関へという流れになる可能性も当然あると思いますが、問題はいろいろあります。軽症例にもかかわらず、遠方まで搬送することになり、帰宅する手段の問題が発生します。また、近隣の2次医療機関との連携をしっかりと持っていないと3次医療機関ではなくても治療可能な疾患、対象者を3次医療機関が抱え込むことになります。
現状として、集約化の先に残る医療の一つとして、ruralでの救急初期対応能力。そして、迅速に安全に繋ぐことがとても大切な役割だと思います。救急医でなくてもいいんです。確実に救急対応のできる総合医を増やしたいです。