先日、母校の「救急・家庭医療学」の中で90分一コマいただいて、授業をさせていただきました。自分自身が学生の時に使用していた教室で、講師として話すことができたのはとても嬉しかったです。学生の時に印象深かった授業は、とてもクセのある授業か、とても臨床に近い話をしてくださった先生の話でした。卒業して17年経ちますが、いまだに雨森先生(弓削メディカルクリニック)の授業は記憶に残っています。往診バッグの中身をスライドで見せてもらったような…授業の中身ははっきりと覚えていませんが(すみません)、なぜか、とても印象深かったです。地域に根ざす医療ってこんな感じなんだって感じたことを今も覚えています。

 大学の授業で、もっとこうだったら、楽しく時間が過ぎて、かつ面白いのになと思っていたので、今回のチャンスはとても自分にとって夢のような話でした。しかも母校。しかも、「救急・家庭医療学」って、まさにピッタリ!と思いました。この3年間、千葉大学地域医療教育学講座で、教育学についても教えていただき、今までの自分の経験だけでなくどうやったら効果的な教育ができるかを学んでいる最中なので、今回はとても良い機会でした。

 彼らのニーズにあった、学年に合った内容、そして、ラーニングゾーンになるべく寄せて、インタラクティブにできるように工夫しました。おかげで、眠たそうにしている学生は1、2名のみ。(朝一の授業ということもあって、もともと出席していない学生もいたのですが笑) QRコードとか使って症例ベースで、かつ患者さんのヒストリーや家族の背景についても学べたのではないかと思います。そして、せっかくなので大学を卒業後、大学の医局に属せず、ずっと転々としながらキャリアを積んでいる医師もいるということを後輩たちに知ってもらいたくて、キャリアの話もさせていただきました。

 事後アンケートでもたくさんのコメントをいただき、それぞれに刺さった場所が異なったのが面白かったです。

 授業全般に、面白かったです。
 症例ベースの内容が面白くて、さらに勉強意欲が湧きました。
 キャリアの話が面白かったです。
 家族背景や社会のサポートのことなどにも配慮することが必要だということを認識しました。
 未来の医療についての具体的なイメージができるようになりました。その上で、集約化の先に残る医療の
 提供についても意識できるようになりました。

未来の地域医療に従事する総合診療医の素晴らしさ、専門医を取っても地域で専門的なこと以外をすることに喜びを感じられることを、他の学生に知ってもらうのが良いと思った。
 これは嬉しかったですね。私が何気なく話した言葉をしっかりと拾い上げてくれていました。臓器別専門医になっても専門的なこと以外の診療をpositiveに対応できるようになることで地域が幸せになる。現状、臓器別専門医の先生がいないと困ることはたくさんあります。一方で専門以外のところもpositiveに対応していただかないと現場が回らないことがたくさんあります。それが伝わったことはとてもうれしかったです。
 
 他にも、総合診療を一つ選択肢にいれるようになった、僻地での勤務などを考えていたのでとても興味深かったなどありました。

 自治医大ではなくても、やはり一定数の学生が地域医療にもともと興味があることを再確認できましたし、総合診療に興味を持っている学生はたくさんいることがわかりました。本当に嬉しかったです。あとは、総合診療というものがぼやけて伝わっていることがよくない。今回コメントにあったのは、「リアルな総合診療を通じて、具体化できた」という意見が多かったです。大学にいると、概念的な話はできても実際の現場で働いている医師像に触れる機会があまりにないため、選択しづらいのだと思います。また、総合診療をしている医師の大多数は、大学の外のフィールドを中心に頑張っておられる先生が多いと思いますし、そこで初めてその領域の面白さや大切さがわかると思います。教育という観点からも、大学と地域の病院、診療所がタッグを組んで、教育の場を大学の外にも設けることが今後の日本の医療のニーズにあった医師配分にもつながると思います。

 当院に研修・実習にくる研修医や医学生さんは数に限りがあります。今回のように一生でたった一回だけかもしれませんが、一度にたくさんの医学生にアプローチできたことは本当に幸せでした。彼らの中に何か残れば幸せですね。

 

 

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