少し前に、とってもおいしいトマトを頂きました。小さくて、皮が少し厚めで固めだけど、甘い。

とっても甘い。

 そのトマトを育ててくれた方から、お話をして頂きました。

「生きていくために、いろいろ試行錯誤して、このトマトにたどり着いたんだ。原点に返って自生しているトマトを考えたんだ。アルプスの麓に自生しているトマトのことを。土を変えて、水を替えて。」

 経験と努力の結晶だと思いました。日々食べる食べ物に作り手の顔が見えるとこんなにも違うのか?と思うほどの衝撃がありました。

「子供は、ひとりか?」「おー、そんなにいるのか!子供はいいぞ。宝だ。持って帰って、たくさん食べさせなさい。」

そう笑って、またお会いしましょう!と。

その一週間後、呼吸が苦しくなり、御家族も家で診るのは少し難しいと訪問看護師に連絡をくださり、入院となりました。

「おー先生。今はだいぶ落ち着いたよ。」「少し、落ち着くまで入院するか。」

そういって、病室へ

私からトマトの御礼をお伝えしたら、ニタッと微笑んで、

「子供も食べたか?」と。

次の訪問予定は1ヶ月後だったので、自宅で最期までとなると、私は直接「ありがとう」が言えなかったかもしれません。

病院へ来て下さって「ありがとうございます」

御家族にも、入院されてからの数日間の私との会話をお伝えしました。

「畑のことをまだ家族に伝えきれていない」「そこが心配なんだ」

「ちょっと家に帰りたいな」etc

初めてお目にかかってからわずかな時間でしたが、素敵な出会いでした。

素敵なトマトをありがとうございました。

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