縮小ニッポンの衝撃 NHKスペシャル取材班 講談社現代新書

を読みました。
 「歴史をひもといても、
前例のない急速な人口減少が訪れる」

「それとともに、税収が少なくなることで、
行政のサービスは維持できなくなる」
 日本各地の過疎地域といわれる場所だけでなく、東京豊島区、神奈川横須賀市など都市部での人口減少もデータから分析して、今後訪れる2025年以降の日本が直面する現実について述べている。
 事実、内容に驚くこともあるが、「そういう考えもある」と同意することもたくさんある。

 育った滋賀県では、今も同級生達が家族を持ち生活している地域がある。滋賀県の中では、医療過疎地といわれ、滋賀県の中でも田舎といわれる地域だった。当然、人口は減少していて、市町村合併をしたが人口減少スピードはあまり変わらない。
(【データ出所】総務省 国勢調査及び国立社会保障・人口問題研究所 将来推計人口、総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数)

 北海道松前では、この本で取り上げられている夕張のような財政困難ギリギリで行政のサービスをどうするのかという現実を肌で感じたこともある。
 長崎県の離島では、天候によっては物資が途絶えるのが当たり前の生活。ガソリン代も当然高い。いろいろなインフラ自体が危うい。
 神奈川県では、子供を育てる世代がどんどん流入していて、人口が増えている。交通量が多く、事故の心配をしながら、待機児童の問題にも直面する生活をしている。
 孟母三遷
というが、自分がいろいろな地域で感じたこと、教えていただいたこと、悩んだこと、地元の人と腹を割って話し合ったこといろいろと思い出した。
 私の場合は、家族で北海道へ移り、3年半生活をした。その地域で子育てをして、新たに子供を2人授かった。車も少なく、外で走り回っても事故の心配は少なかった。
子供が少ない地域なので、スーパーでも町中でもたくさんのおじいちゃん、おばあちゃんに子供を可愛がってもらった。子供がいる家族というのは、役所勤めの人、地元の建設会社の経営者、自衛隊、警察、学校の先生、漁師、家畜など。女性は、介護施設か医療関係。要は、子育て世代の3040代の人が働く企業がない。医療関連か、公的施設か、個人経営をしている人しかいなかった。
 
 「まだ余力があるうちに『集団移転』」
 先祖からの土地を手放すわけにはいかない!とか、住み慣れたこの場所から動きたくない!といった意見が多いかと思っていたが、実際には麓に下りるとか、今までバスなどを利用して用事をしていた町中に移り住むということで、結果的には良かったという意見が多かったと。それほどまでに、へき地で生活を続けるということが困難になってきている。
 当たり前と思われている水道、除雪、道の管理、電気などこのようなインフラ整備だけでも行政の負担は大きい。住民が考えて、納得の上であれば、集団移転という方法も今後は考えないといけないのかと思った。
「医療」に関しても、そうだ。インフラの一部であるので、広大な土地に散らばって生活をされている方々に対してスタンダードな医療を提供しようと思うとお金がかかる。少ない人数の患者さんに対して、医師や看護師などの医療に関わるお金の負担を誰がするのか。行政がしようにも税収も少なくなるため個人の負担を増やすことも考えないといけない。果たしてそれを受け入れるのか。
 効率だけを求めるのは良くないが、この著書の中にもあったようにどの世界も今まで経験をしたことがない人口が急速に減っていくという事態を迎える。歴史から学ぼうにも、前例がない。また、先進国で人口が減っていく高齢化している国を比較しても日本は急速に人口が減り、高齢者の割合が増えていく。
 今までやったことがないことも、
やっていかないと自分たちの生活ができなくなっていく。

地域の人口減少をくいとどめることはできない。どんな方法をとっても日本だけで考えれば不可能。(海外からの移民を受け入れるのであれば別だが・・・)

 それよりも、今いる人がどんな工夫をして少しでも生活を楽にすることができるのか。これを必死に考えることが一番の方法だ。何に困っていて、少ない税収をどこに充てることが一番いいのか。行政だけにまかせるのではなく、自分たちもどうすることで少しでもマシな方法を採れるのかを考える。これが必要だ。
 最後に、この著書が40歳までの若い方々によって取材をし、執筆されていることに驚いた。自分と同じ世代の人が、このテーマについて掘り下げて文章として書き上げていること、世の中に伝えようとしていることに尊敬の感情を抱いた。
 

 

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