今日は、RSQとTEMSUの見学に行ってきました。

 RSQは、簡単にいうと小規模病院やへき地の病院で働く医師や看護師が、ちょっと自分では負えないかもしれない重症患者さんを診察したときに、24時間365日電話やOnlineで相談できる窓口です。

へき地で働く医師がまだ、後期研修中(rural General Practitioner (RGP)が5年目以下のこともある)に自信がないときこの窓口を使うと、いろいろとアドバイスをしてくれます。アドバイスしてくれるのは、熟練の看護師たちです。かれらは、普段はERやICUで勤務して、兼任でこの窓口に入ってくれているようです。何となく日本だとイメージがつきにくいですが、看護師から若手医師やへき地で働く看護師たちにアドバイスをするということです。
 内容によっては、Dr to Drが望ましいときもあるのでその時には、責任者の医師が対応をするバックアップもしっかりあります。高次医療機関への搬送が必要と判断したらドクターヘリにするか、フライングドクターシステムを使うかという指示も出すようです。
 Queensland全体のヘリ、ジェットの統率を1箇所で行っていました。
約500万人全体をコントロールするってなかなかのものです。
全体でヘリは12機ジェットは8機(ジェットの数は間違っているかもしれません。)

やっぱり内陸部は医療過疎地域が広大です

搬送件数は約60台/日 
それをコントロールするため、なかなか忙しそうです。

 搬送内容も、都市部から離れると(つまりは、内陸の病院はほとんど)重症患者対応が難しいようです(特に心血管系:これは明日からの研修でさらに具体的に見てきますが)
 また、新生児や小児の重症患者に関しても、初期対応は各病院で行わないといけませんが、搬送は大都市(TownsvilleやBrisbane)でしかできないため2時間から3時間のジェットでの搬送となります。その時には、医師を同乗させるか、看護師や救命士だけで良いかの判断もこのServiceが判断することになっています。
 
 さらにRSQは一年前から無料のインターネット勉強会を毎日開催しています。
(RSQ Education Support Team)
 対象者は、医師だけでなく、看護師、地域の救急隊など。1日2,3回の開催30分程度。300カ所ほどの登録があるようです。内容は多岐にわたり、内容についても偏りがないようにコントロールしているようです。
 ん?! どこかで見たような・・・
そう、札幌医科大学主催の「プライマリケアレクチャーシリーズ」
さすがに、毎日は出来ませんが、規模はほぼ同等。さすがです。
州レベルで管理されているというのが強みでしょうか。人員配置もreasonable

TEMSUについては、へき地の病院で夜間救急患者が来院したときに、夜勤の看護師やNPが初療を行う際、「夜間に医師を呼ぶべきかどうか?」と悩んだときに
院内の医師に連絡するより先にTEMSUに連絡して良いということになっています。
すごいのは、TEMSUの部屋と各病院の救急室のベッドに配置されている2つのカメラがTEMSUの部屋で操作できて、見る角度を変えることが出来るということです。

TEMSUの画面です。モニターを見ながらアドバイスするようです

TEMSUサイドの医師や看護師が、診断や診察についてアドバイスをして、本当に必要なときだけ、現地の医師を起こす(連絡する)そうです。
このあたりも英語の聞き取りがあやしかったかもしれないので、明日からの現場で再度確認をします。
 要は、現場の医師が少人数でやっていくのに、負担がかからないようなシステムを作っています。しかも州レベルで。
 いろいろと学ぶところがありました。
さて、明日は3時間のドライブで内陸部へ移動です。
Stanthorpeへ

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