物にはなんでも賞味期限や使用期限があります。食べ物、道具、薬など。
流行り廃りもあります。
変わらないものも確かにあります。ベーシックな服とか。
人に関してはどうでしょうか。1日1日変化していく。嫌でも成長するし、またある時から老化ともいうのかもしれない。
例えば、サッカー選手や野球選手、俳優の方とかでもピークを迎えた後にその時の栄光にすがりついたまま過ごそうとして、周りからの評価にイライラしたり、自分自身も納得できずにイライラしたりすることをよく見かける。でも、プレースタイルを変えて、輝き続ける人や、役柄を変えて実力をつけて味のある俳優になる方もいる。
これって、会社員でも医師でも同じじゃないかなと思う。いつまでも平社員ではないし、いつまでも研修医や専攻医ではない。個人事業主以外の組織で働く人は年齢や経験によって求められる仕事が変わってくる。変わらないとやっていけない。逆にいうと変わらずにいつまでも臨床医だけをやっていくのはいいことかもしれないけど、次世代や地域全体を考えるという点においてはやはり疑問が残る。それぞれの人に強みや得意分野があるので、全員にそれを求めるわけではないが、組織で働く上で現場主義で組織に文句ばかりを言って組織のことをしないものどうかと思う。昔、ある指導医が、他の先生のことを「いい先生なんだけど、引き際が良くなかったよね」と言っていたり、「自分で線引きができない医師が多いよね」と言っていたのを思いだす。人に叱られたり、注意されたりしにくい職場だから自分で判断しないといけないんでしょうね。でも、それができていない人が多いのでしょう。現場中心に行うのであれば、組織を作る人や組織のルールにある程度則って、仕事をしていかなければいけない。ある程度の年齢になってもポジションというのはそういうものだと思う。
自分が尊敬する先生が以前言っていたこと
「内視鏡や病棟管理など、他の先生ができることや他の先生がやった方が上手くいくことは、自分はもうやらない。自分にしかできない仕事があるから。そこに注力する必要があると思う。」
当時の先生と同じ歳ぐらいになってきて、その意味がわかり始めてきた。
今までは、自分自身が患者さんを診て、診断して、治療して、フォローして。最後の看取りまで行って。自分自身が成長していることを感じて、すごく充実していた。次に、医学生や初期研修医の先生たちと一緒に学ぶのがとても楽しかった。彼らが成長していくのを横で見るのも楽しかった。その次に大学で授業をさせていただいたり、他の病院に呼んでもらって、特にキャリアについての講演をさせていただく機会が増えて、自分の医師としての15年を振り返ることも楽しかったです。
でも、仲間が増えて、若い先生たちが医学生や研修医の先生たちを指導しているのをみたり、彼らが学生たちからみたロールモデルになりつつあるのを見ることができて、自分がそれをしなくてもいいんだと思うことが最近増えてきた。
「自分にしかできない仕事に注力する」
今そういうフェーズにいるのかもしれない。ずっと同じことを貫いておられる先生方も素晴らしいと思います。ただ、なんとなく自分はいわゆる一流俳優でも一流選手でもないので、そのときどきの自分に合った役割と自分のストロングポイントの掛け算を増やして、ニーズに合った自分にしかできない仕事をして味のある人になっていくのかなと。いつまでも自分が若手と思っていてはいけない。そして、下を育てることで自分が自分にしかできない仕事に舵取りしていくことができる。そうやって、組織は継続し強くなっていくと思う。
組織の中でやっていく仕事に関しては、自分磨きの10年、下を育てる10年。少し早いけどそのフェーズは卒業したのかもしれない。医師だから継続してupdateしていかないといけないとは思いますが、自分の賞味期限っていうものを意識しないといけないなと思う今日この頃です。