先週行ったjournal clubより紹介
Postural modification to the standard Valsalva maneuvre for emergency treatment of supraventricular tachycardias (REVERT): a randomised controlled trial
lancetよりとても面白い論文が出ていました。10月のものです。
ERを受診されるPSVT疑いの患者様に対して、modified Valsalva法の有用性について比較検討した研究です。
以下簡単なまとめです。
P:ERを受診した18歳以上のPSVT患者
I:modified Valsalva法を用いた群と
C:標準的なValsalva法を用いた群とを比較して
O:1分後の洞調律に戻っている数に差があるかどうか
When:2013年1月1日〜2015年4月30日
Where:イングランドの南西部の教育病院2つと一般病院8つの救急部
Who:18歳以上のPSVT患者
exclude:収縮期血圧が90mmHg以下 すぐにカルディオバージョンした方がいいと判断した患者 心房粗動を疑うアデノシンを使用した方がいい人 Valsalva法が禁忌の人(AS 心筋梗塞を最近した人 緑内障 網膜症) Valsalva法が出来ない人(横になったり、下肢挙上が出来ない人) 妊娠中の人 一度研究に加わった人
What:ランダマイズで行う。
共通して15秒間強制呼気をする(アネロイド圧力計を用いて40mmHgで)
control群は45°に傾けた台(ストレッチャー可)で60秒横になってもらう
intervention群は最初は同じ姿勢で強制呼気をしてその後15秒間は横たわり45°下肢挙上を行う。その後45秒は元通りの45°の傾きで横になってもらう(lancetのホームページから動画参照して下さい)
How:
2群間の差については、logistic回帰分析
ER滞在時間についてはCox proportional hazard回帰分析をもちいて比較
結果
modified Valsalva法をすると、43%程度(control群は17%)sinusに戻る。
adverse eventもほとんどなく良い結果。
EMA methodで研究デザインを考えても、とても素晴らしい研究だと思いました。
外的妥当性の観点からすると、やはり忙しいERでは少し手間がかかるかもしれませんが、ルートを取らなくてもいい・アデホスを使わなくてすむことなどを考えると医療経済的にはやはり試してみる価値ありかと。
10cc のシリンジを反対から「プーっ」と吹いて、少しずつ動くぐらい勢いよく息をはいてもらう必要がありますが、次回やってみようと思います。